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biRAPID
制御ソフトウェア開発用コントローラボード​
HECS-B/A

制御プログラムの開発・デバッグ環境を構築可能。コンパクトサイズに多彩な機能を搭載

12本のゲート信号出力を搭載し、TI製高性能マイコンとXilinx製FPGAにより多彩なパルスパターンが生成可能で、三相インバータなら2台同時に駆動が可能なコントローラボードです。
フットプリントA6サイズ以下のコンパクト設計で開発用にも組込用にも適しています。
12ビットAD変換、CAN通信機能も搭載しています。


太陽光発電用のパワーコンディショナーや電気自動車用のモータドライブインバータなどに代表されるパワーエレクトロニクス(以下、パワエレ)機器は、「組み込み機器」の一種でもあります。組み込み機器とは、デジタルカメラやテレビなどのように特定の用途に特化したハードウェアとソフトウェアを持つシステムのことです。組み込み機器には、そのシステムを統括する“コントローラ”が搭載されています。本記事では、パワエレ向けコントローラの特色や難しさについて解説します。

パワエレ機器向けコントローラには制御対象となるパワエレ機器の機能に合わせて様々な機能が搭載されていますが、ほぼすべてのパワエレ機器向けコントローラに必ず搭載されている要素として下記の4機能が挙げられます。
①CPU:与えられた情報を元に演算処理を行い、指令を出します
②メモリ:処理の命令やデータを保持します
③パルス生成器:PWMパルスを生成するための専用の機能です。
④ADコンバータ:各種センサから入力されたアナログ値をCPUで処理するためにデジタル信号に変換する機能です。PWMパルスのタイミングと同期させ動作させたりします。

これらの4つの機能は、昔のパワエレ機器向けコントローラでは各々専用のICを組み合わせて実現することがありましたが、近年では1個のマイコン(マイクロコントローラ)にこれらの機能がすべて搭載されているものを使うことが多くなりました。
最近はパワエレ機器向けに特別に配慮されたマイコンや特殊な機能を搭載したマイコンも登場しており、シンプルな構成で高い性能を持ったパワエレ機器向けコントローラを実現できるようになりました。
また、研究開発分野では、多レベルインバータなど回路構成が一般的でないこと、ソフトスイッチングなど高速なパルス制御が要求されること、複雑で高速な制御演算が要求されることなどがあり、このような場合にはFPGAを追加したコントローラを用いてパルス生成や制御演算の一部をFPGAを用いて処理することもあります。

CPUの性能の差 パソコンのCPUならパワエレのコントローラに使えるのでは?

パワエレ専用マイコン
TMS320F28377S(C28x)
ハイエンドデスクトップ向け
CPU(第10世代)
Intel Core I9-10900K
コア数 1 (サブプロセッサ 1) 10
クロック 200MHz 3.7GHz
メモリ(キャッシュ) 1MB 20MB
MIPS…コンピュータの処理性能
(ベンチマークスコア)
1MB 50000~75000MIPS

例えば、PCで動画を再生する場合、CPUには動画を構成する多くの情報を動画の再生速度よりも速く処理する能力が要求されます。
すなわち単位時間あたりの演算性能が高いことが要求されます。

一方で、動画を視聴するのは人間ですから、動画再生ボタンを押してから動画再生が始まるまでの遅延時間について極端に短くすることは要求されません。言い換えれば、高いリアルタイム性は要求されません。

これに対して、パワエレ機器において例えば電流制御を行う場合、CPUには、電流センサで検出した電流値情報をADコンバータでCPUに取り込み、フィードバック制御の演算を行い、パルス生成器に指令値を設定するという一連の処理を非常に短い時間(数十μs程度)で実行する能力が要求されます。フィードバック制御演算は正しく一定の間隔で実行する必要があり、コントローラには演算能力だけでなく高いリアルタイム性が要求されます。

このため、PCとパワエレ機器とではCPUに要求する能力がかなり異なることになります。それぞれに適したアーキテクチャとなっているため、PC向けのCPUをパワエレコントローラに採用しても極端に高性能化するのは難しくなります。

弊社のコントローラであるHECS-B/Aはリアルタイム制御に適した高速マイコンとFPGAが両方搭載されており、パワエレ機器の開発に特化したモデルとなっています。

ここまではハードウェア的な側面の説明を致しましたが、ソフト開発の視点から見てみましょう。
コントローラに搭載するマイコンの中身は複雑化する傾向にあり、マイコンの機能を熟知してソフト開発するのは容易ではなくなってきています。パワエレ用コントローラには、速いフィードバック制御、正確なパルス生成、各種保護機能などが要求され、マイコンの中身を熟知してハード、ソフトの両面から設計するスキルが要求されます。

その要求スキルを下げる手段として、パワエレ専用ライブラリがございます。パワエレ専用マイコンを用いた開発の際に、専用ライブラリを用いることでマイコンに特化したスキルがなくても簡単にパワーエレクトロニクス機器を開発することが可能となっております。


【コントローラ開発についてのリーフレットはこちら】

HECS-B/A仕様

マイコン TMS320F28377S(Texas Instruments) クロック周波数200MHz
FPGA XC6SLX45(Xilinx) Spartan-6
ゲート信号出力 12本 5V TTL
エラーリンクI/F 4ch 5V TTL
AD入力 16ch +/- 5V, 100kHz
絶縁デジタル入力 16ch 5V
絶縁デジタル出力 16ch OC出力
DC5~30V/50mA
外形 W: 90mm×D: 130mm×H: 30mm
動作温度範囲 0〜50℃ 結露なきこと
電源電圧 DC10.8〜26.4V
消費電力 18W以下

弊社他製品連携機能

弊社回路ブロック(主回路)I/F 6ch 弊社回路ブロックを最大6台まで直接接続可能
弊社エラーリンクI/F 4ch 弊社製品群とのエラーリンク機能を最大4リンクまで使用可能
弊社HSDT I/F 1ch 弊社HSDT-DPを接続可能

主要機能

PWM生成 12本 デッドタイム付き相補PWM生成機能。キャリア波形は三角波、のこぎり波、逆のこぎり波から選択可能
デジタル入出力 各16ch 絶縁された汎用デジタル入出力機能
AD変換 16ch 12ビットAD変換機能。マイコン内蔵とFPGA処理の2種類を搭載し、使い分けが可能
コンパレータ機能 8ch 入力信号電圧を上限、下限と比較し、範囲を超えた際にゲートブロック操作することが可能
汎用LED 黄4ch
赤4ch
組込プログラムで操作可能な汎用LED
汎用ディップスイッチ 4ch 組込プログラムで読み取り可能な汎用ディップスイッチ
調歩同期シリアル通信 3ch RS485, RS232C, USBUARTが使用可能
CAN通信 2ch ボード内部と絶縁されたCAN通信機能
EEPROM 512kbit I2C接続で組込プログラムから使用可能なEEPROM

ブロック図

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