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コラム

2022.03.23
導入事例インタビュー

導入事例インタビューvol.3: リニアアンプ交流電源との“干渉”がありません

 千葉工業大学
 教授 西田 保幸先生


「システム内の他の制御電源類への悪影響が出ないので、小容量の電源設備でも大容量の実験が可能です」

ダイオード整流回路で安く正弦波に近いものを目指してます

 まずはじめに研究内容を教えてください

研究室では、電気的エネルギーの発生・輸送・貯蔵・消費に関わる電力変換技術の研究開発を行っています。例えば、ガソリン自動車を改造して製作するコンバートEV、太陽光発電や燃料電池システム用の系統連系インバータに関わる研究です。その中でも、非常に重要で応用範囲の広い整流回路を取り上げ、ダイオード整流回路によって、出来るだけ安価で、正弦波に近い交流入力電流が得られることを目指しています。

ノイズが少なくなりオシロのスムージングが不要になりました

 弊社の直流回生電源biATLAS-Dをどのように活用されていますか?

系統模擬電源からの交流をダイオード整流回路で直流に変換する構成で、その負荷側に直流回生電源を活用し、電力を系統側に戻すシステムで、20kW~30kWの容量の整流回路の出力電力を変化させ、出力電圧や入力電流の歪み、力率等を評価しています。その場合、系統側の交流電源と負荷側の回生電源とが、それぞれにデジタル制御を行っていますので、お互いの制御が悪影響を及ぼし、波形ノイズが大きくなってしまいます。波形安定性にこだわったbiATLASを負荷側に利用したところ、ノイズの少なさ=安定性が高く、以前はオシロスコープのスムージング機能が必須でしたが、スムージングをせずに安定した波形が得られるようになりました。

無償トライアルでbiATLASの安定性を確認できました

 弊社のbiATLAS-Dを選定された理由をお聞かせください

回生電源を活用することで、大学の設備でも出来るだけ実利用に近い大容量での実験をしたいと考えていましたので、系統模擬電源を組み合わせても使えそうな、安定性の良い回生電源を探していました。無償トライアルで試しに活用させていただいたところ、得られるオシロスコープの波形が非常に綺麗になり、より正確なデータ取得が可能でしたので、是非biATLAS-Dを使った実験を進めたいと考えました。

小容量の系統模擬電源でも大容量の実験が可能です

 実際の使用感を教えてください

安定性が高く、様々な条件でのデータ取りがスムーズになったことで、現在の研究を大きく前に進めることが出来ました。また、その安定性のため、以前は負荷の3割程度は抵抗負荷にしていたのですが、それも不要となり、結果的に、系統側電源の電力容量が小さくても、より大容量の整流回路の実験が可能になりました。系統側の交流電源はかなり高価なため、それがより小容量で安価なものでも使えるようになるのは、大きなメリットだと考えます。強いて難点を上げれば、冷却ファンの音が少々うるさいというぐらいですね。

取材後記(インタビュアー:西澤)


直流回生電源”biATLAS-D”のメリットとして、回生動作により電力変換システム評価の設備全体コストが削減出来る点を挙げていただいたのは初めてでした。これは製品企画の際に意図したポイントだったのですが、今回、直接そのご指摘をいただき、弊社製品が意図した形で貢献できている実感が得られ、非常に嬉しく感じました。今後、製品説明をする際には、このポイントをより強調したPRを行っていきたいです。

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