直流回生電源「biATLAS-D」の選び方vol.2: 10kW 双方向DCDCコンバータの開発
「直流回生電源の導入を検討しているけど、どの容量を買えばいいかわからない」という声を伺います。
パワエレ開発の現場で多数の直流回生電源を用いて開発をしているヘッドスプリングが、直流回生電源の選び方をご紹介します。

評価の概要
● DCDCコンバータの高圧側(750V)にはバッテリが、低圧側(380V)に はモータドライバや発電要素などの複数の電力変換器が接続される。
● DCDCコンバータは低圧側の電圧一定制御を行う。これにより、低圧側に接続された他の機器が消費する電力あるいは生成した電力を高圧側 に接続されたバッテリに充放電する。
● DCDCコンバータの電力定格は±10kW。
● DCDCコンバータのみを先行開発しているため、評価試験時は周辺 デバイスを直流回生電源で模擬したい。高圧側にはバッテリの代わりに 直流回生電源を、低圧側には他の機器の電力消費あるいは電力発生を模擬する直流回生電源を接続する。
評価の手順
①評価試験の項目を考える
DCDCコンバータの電力、充電方向および放電方向に段階的に電力を大きくして効率データを取得する。
②評価の際の試験の手順を考える。
● 高圧側 : 高圧側(750V)のバッテリは直流回生電源で模擬をする。
バッテリ模擬をする直流回生電源はCVモードで 「定電圧源」として動作させる。(直流回生電源を 利用することで、充電方向も放電方向も配線変更せずに試験可能。)
● 低圧側 : 低圧側(380V)の負荷・充電器は直流回生電源で模擬をする。
負荷・充電器の電流を指定し、消費電力を決めるために、直流回生電源の定電流モードで模擬をする。(直流回生電源を利用することで、充電方向も放電方向も配線変更せずに、また指定した電流で試験可能。)
③高圧側、低圧側で動作してほしい領域を考える。
● 高圧側の電源 : 定電圧モードの750Vを指定し、最大10kW出力の容量となる電源を選ぶ。
● 低圧側の電源 : 定電流モードで動作し、最大10kWになる電流値を指定する。
DC 380V:-10kW~10kW→ -26.3A~+26.3A
④biATLAS-Dの必要な台数と使い方が決まる。
高圧側 : 2台2直列
負荷を模擬するときは電流指令値を→26.3Aまで徐々に上げていく。
低圧側 : 2台2並列
充電を模擬するときは、電流指令値を 0→-26.3Aまで徐々に上げていく。
⑤直流回生電源が動作してほしい領域=biATLAS-Dの動作範囲
